②猫のいる家で茶事の準備をするとこうなる

茶事の準備をする中で一番困ったのは、なんといってもスペースがないことだった。
うちには猫がいる。
猫のいる場所に道具は出してはおけない。
茶碗を置いておこうものなら遊んで転がすし、箱の紐はかじられてしまう。

幸いなことに、うちはワンルームとはいえ、玄関を入ってすぐの風呂場+トイレのエリアとリビングエリアのあいだにドアがあり、区切られている。
外出するときはそこを閉めて出かけるので、猫の脱走を心配しなくていい。
うちで猫を締め出せるのは風呂場とトイレだけなのだ。

というわけで、道具類を全部トイレに持ち込んだ。
お道具をトイレに置くなんて!と怒られるかもしれないが、他にやりようがないのだからしょうがない。

道具類はクローゼットの一番上の棚にしまってある。
私は背が低いので、ピアノの椅子に乗ってようやく手が届くといった感じ。
私がそこにピアノの椅子を持ってくると、いつも猫が先に飛び乗ってしまう。
「どいてねー」といって、椅子に立ち、棚を除き、道具を下す。
茶碗と、茶杓と、棗と……。
抱えられるだけ抱えていったん床におり、箱を床に置く。
そのあいだにエル君が椅子へ飛び乗る。

開け放たれた棚をじっと見上げるエル君。
(まさか?)
戦闘態勢に入るエル君
(まさか、まさか?)
ジャーーーーンプッ!!!!!
棚に両手をひっかけ、なんとかよじ登ろうと足をばたつかせるエル君!
「うっそぉ!? ちょっと! やめて!」

足を大暴れさせているエル君の両脇をはさんでなんとか下ろした。

 

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びっくり、という顔のエル君。
びっくりしたのはこっちだわ。
上がるのはいいけど下りれんだろ。

茶事の数日前のトイレの様子。

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